或る日、僕は

或る日、僕はコーヒーを飲んでいるかもしれない。Since 2014.

天才との運命的な出会い

 たまたま天才に知り合う機会があった。この男は、天才だと思ったので、すこし書いてみる。

天才の悩み

「僕は女性と付き合ったことがないんです」

 天才はそんなことで悩むのだろうかと、ふと思った。

 わたしは、インタビューを続けたいと思えなかったので、この話はまったくもって面白みがない。ここまで面白くない話を聞かされるわたしもつらかったが、天才の悩みというものはよくわからないものだなとふと思った。

わたしも同じような悩みを持っていたことがある。

 かつて、わたしは天才だった。しかし、いまはもう天才とは言えない。

 男の悩みの悲しいところで、かなり苦しみを味わったんだったが、これは若いうちは悩むのが仕事みたいなものだからまあ若い男性は悩みなされとしか言えない。

天才の天才たる所以

 天才が半端ないところは、男性であるわたしに告白してくる点である。たまたまわたしが天才ではなかったため、この天才の悩みについて同情と憐みの蔑んだ悲壮感が漂っていることに気が付いた。

 こいつ…。世の中の楽しみの半分以上を知らないで人生を終えてしまうのはあまりにも悲しいだろうなとは思った。思っただけである。

 なぜ男がわたしに告白してくるのか意味不明であるが、この男は天才だから仕方がない。

 むしろ、若い娘さんがこの天才の近寄りがたい雰囲気にたじろいでしまうのではないのかと、かえって女性が心配になった。

天才は女性と付き合ったことがないことしか言ってない

 もう一度、冒頭のセリフを書いてみる。

「僕は女性と付き合ったことがないんです」

 よく読んでみてくれ。読むのもつらいと思うが。

 女性と付き合ったことがないんですっていう文言には、女性と付き合いたいとか、好きな女性がいるとか、こういう告白をしたとか、いろいろと甘酸っぱい思いを抱く要素が全く入ってない。

 好きなひとがいて、そのひとと付き合いたいっていう思いが募っていって、どうやって思いを伝えようかほんとに真剣に夜も眠れないほどに悩むことだってあるはずじゃないか。

 思いを伝えたい、でも、どうやって伝えたらいいかわからない、っていうんだったら、まだ悩みの相談にも乗ってあげることはできるかもしれない。

 具体的に誰と付き合いたいのか? 付き合って何をしたいのか?

 こればかりは、ジブンのアタマで考えるしかないんだな。相談してくる相手を間違えたな、天才。

以上で、本論を終える。

 天才、泣くな。実らぬ努力もあるのだよ。初恋は実らないものなんだな。なんかまるでオジサンの悩み事として聞くのはすこしつらかったからここに書かせてもらった。そりゃ40代にもなってオンナ知らなかったらちょっと同情したくもなる気もするが、そこまで世の中甘くないんだな。いいオンナに巡り合える機会なんてものはめったにないから、わたしも結構なめられたものだなと書いておく。

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