或る日、僕は

「ほぅ…お客さんか、珍しいな。ここはダンジョンだ。わたしはここでコーヒー飲んでるから、ゆっくり見て行ってくれ。幸運を祈る。」Since 2014.

    筆者からのお知らせ 2024/04/30記
  • 編集部が選ぶ次に読者になりたいブログから、新しく12つのブログの読者になりました。購読リストがたいへん賑やかになっていてブログが楽しくなっています。僕があと3人いたらもう少しお返しもできるんですけど^^;
  • テーマ『fotodiary』の最新バージョンはV0.1.8です。現在開発中です。運用テストも兼ねてこのブログのテーマに設定してあります。
  • テーマ『Simple Theme al-dente』の最新バージョンはV1.0.11です。僕の作った初めてのテーマです。制作は一段落しました。今後もメンテナンスは継続します。

夜の川辺に現れたるは、悲鳴を上げる女――静寂が包む恐怖の物語

 夜。草木も眠る丑三つ時。あらゆる音という音が静まり返った夜の川辺。そこに現れたるは、柳の陰に皿を洗う見目麗しい女。なぜこのような夜中に皿を洗うのだろうか。

「君は、山育ちか?」

 女は皿を洗いながら、静まり返った川辺に響き渡るほどの悲鳴を上げ、助けを求める。

「だれかー」

 川辺には人の姿はない。

 女は皿を洗うのをやめ、声をかけられたほうに首を向けようとした。

 だが、人の気配を感じることはできない。誰もいないようである。何者だろうかと、女は声の正体を知ろうと思った。

「皿を洗うの、手伝ってくださいます?」

 返事はない。もしかしたら、この現代に、幽霊だろうか。そんな話なんて聞いたことも見たこともないわ。

「君は、山育ちか?」

 女は再び聞こえてくる声に恐れおののき、川辺の対岸に届くほどの大きな悲鳴を上げた。

「きやぁー」

正体不明の声 V.S. 皿を洗う女



「う~ん。設定はわかるんだけど、こんな話なんて見たことも聞いたこともないよ。こんな小説売れるはずがない。帰ってくれ。」
「はあ、そうですか・・・。」

 肩をがっくりと落とし、持ち込んだ小説を持ち帰る文学青年風の男。男は、書いた小説を大切に封筒にしまい、席を立った。

「やっぱり、僕の小説が売れるはずないんだ・・・。」

 青年が川辺を歩いていると、月並みの夜景もなんとなくにじんで見えた。にじんで見えた先には、赤ちょうちんがあるようである。

(ごはんも、食べないといけないな。)

 青年は、赤ちょうちんで一杯やることに決め、暖簾をくぐった。


 そのころ。


「おい、あの小説、すごい。見たことも聞いたこともない話だぜ。こりゃあ、特ダネだ。すぐにでもあの作家の連絡先を洗ってくれ。」
「初見では気が付かなかった。俺の目も曇ってしまったようだ。しかし、皿を洗う女の話と言ったら怪談じゃないか。」
「馬鹿野郎。現代風の書き物だったらいくらでもある。何かキャッチコピー考えたら、あの作家をすぐにでもデビューさせたいくらいだ。」
 編集者たちの怒号が響く。
「こういうときこそ、キャッチコピーをAIに考えてもらったらどうかな?」
「あー、そういう手もありかな。β版らしいぜ。ちょっと待ってな。」

 AIが考えています。

「タイトルが決まった!」

オチはありません 笑

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