或る日、僕は

「ほぅ…お客さんか、珍しいな。ここはダンジョンだ。わたしはここでコーヒー飲んでるから、ゆっくり見て行ってくれ。幸運を祈る。」Since 2014.

夜の川辺に現れたるは、悲鳴を上げる女――静寂が包む恐怖の物語

 夜。草木も眠る丑三つ時。あらゆる音という音が静まり返った夜の川辺。そこに現れたるは、柳の陰に皿を洗う見目麗しい女。なぜこのような夜中に皿を洗うのだろうか。

「君は、山育ちか?」

 女は皿を洗いながら、静まり返った川辺に響き渡るほどの悲鳴を上げ、助けを求める。

「だれかー」

 川辺には人の姿はない。

 女は皿を洗うのをやめ、声をかけられたほうに首を向けようとした。

 だが、人の気配を感じることはできない。誰もいないようである。何者だろうかと、女は声の正体を知ろうと思った。

「皿を洗うの、手伝ってくださいます?」

 返事はない。もしかしたら、この現代に、幽霊だろうか。そんな話なんて聞いたことも見たこともないわ。

「君は、山育ちか?」

 女は再び聞こえてくる声に恐れおののき、川辺の対岸に届くほどの大きな悲鳴を上げた。

「きやぁー」

正体不明の声 V.S. 皿を洗う女



「う~ん。設定はわかるんだけど、こんな話なんて見たことも聞いたこともないよ。こんな小説売れるはずがない。帰ってくれ。」
「はあ、そうですか・・・。」

 肩をがっくりと落とし、持ち込んだ小説を持ち帰る文学青年風の男。男は、書いた小説を大切に封筒にしまい、席を立った。

「やっぱり、僕の小説が売れるはずないんだ・・・。」

 青年が川辺を歩いていると、月並みの夜景もなんとなくにじんで見えた。にじんで見えた先には、赤ちょうちんがあるようである。

(ごはんも、食べないといけないな。)

 青年は、赤ちょうちんで一杯やることに決め、暖簾をくぐった。


 そのころ。


「おい、あの小説、すごい。見たことも聞いたこともない話だぜ。こりゃあ、特ダネだ。すぐにでもあの作家の連絡先を洗ってくれ。」
「初見では気が付かなかった。俺の目も曇ってしまったようだ。しかし、皿を洗う女の話と言ったら怪談じゃないか。」
「馬鹿野郎。現代風の書き物だったらいくらでもある。何かキャッチコピー考えたら、あの作家をすぐにでもデビューさせたいくらいだ。」
 編集者たちの怒号が響く。
「こういうときこそ、キャッチコピーをAIに考えてもらったらどうかな?」
「あー、そういう手もありかな。β版らしいぜ。ちょっと待ってな。」

 AIが考えています。

「タイトルが決まった!」

オチはありません 笑

▲このページの先頭へ戻る