或る日、僕は

「ほぅ…お客さんか、珍しいな。ここはダンジョンだ。わたしはここでコーヒー飲んでるから、ゆっくり見て行ってくれ。幸運を祈る。」Since 2014.

美しい横顔との出会い

 私はピアノを演奏するのが好きだ。しかし、演奏はひとさまに聞かせられるものではない。同居している家族から苦情が来たことはないため、少なくとも私がピアノを演奏しているらしいことについていえば、特に問題はないようである。

 話を進める。

 ピアニストの女性とおはなしする機会がかつてあった。めったにない機会なので、あがってしまってうまく話せなかった。私はまだまだだと思った。ピアノを演奏するときのことを考えると、ピアニストの表情は真剣そのもので、私は横顔が美しいと思った。

 だから、厳しい修練を重ねてきたであろう横顔を見つめていると、青年は淡い恋心を抱くのも無理からぬ話だろうと、思った。

 私のピアノの腕前を披露する機会はまずないであろうことを祈りたい。もし、私が真剣な表情でピアノを弾いているとすると、若いお嬢さんが恋に落ちてしまうかもしれないと心配になった。

▲このページの先頭へ戻る