結論が出てから書く文章と、結論が出ていないので書く文章とがある。わたしの書く文章は、どちらかといえば後者である。
結論が出ているのであれば、わたしはたぶん書かない。
あらすじ
わたしは、うたが好きだ。歌うことが好きだ。それには、理由などいらない。
わたしは、わたしの歌いたい歌を歌う。それは、たとえば、頭の良しあしというものには全く関係がない。
わたしはあまり頭がよくない。しゃべるのもうまくない。筆記となるとなおさらだ。
だけど、うたをうたっているときには、ちっともそんなことなんて考えなくたっていい。
わたしは歌う。
それだけでいい。
わたしのうたは、専門家の評価を気にするものでもなかったのだったが、世に出てしまった。
うたうこととはなんだろう。
そんなことを考えるようになってから、わたしは、うたうことが怖くなった。
いまのわたしに、きれいな歌を歌いたい気持ちはあまりない。
たぶん、感動したとき。
それは、わたしにとって、若人の道標となった時だっただろう。
悲しみの淵を救ってくれたあのうたのように、わたしは、うたいたい。
わたしは、うたが好きだ。